軽量チケット開発ツールALMinium

GitポケットリファレンスでALMiniumが紹介されました。ALMiniumとGitを組み合わせて運用したい方にお勧めです.

みなさんは、Redmineを既にお使いでしょうか? それともRedmineをこれから導入するつもりでしょうか?

Redmineの導入は簡単そうに見えて、そう簡単ではありません。Apache,MySQL(or 他のデータベース),Rails,Redmineの実行に必要なgemのインストール...。しかもインストールするソフトウェアのバージョンによっては動いたり動かなかったりします。

BitNami Redmine Stackが提供されているので、これらを使えばRedmineのセットアップだけは簡単に完了できます。Redmineのセットアップだけは(>_<)

プロジェクトで快適に利用するには、バージョン管理ツールと連携させたり(コミットログに#23とかチケットIDを記述してリンクさせたいですよね?)とか、ユーザ管理を統合したりとか(RedmineのユーザID/パスワードでRedmineにログインしたいですよね?)とか、様々な設定が必要となってきます。

また、デフォルトのWiki記法がちょっと使いにくいので、Wikiエンジンを入れ替えるプラグインを入れたり、スクリーンショットをチケットに簡単に添付するプラグインを入れたり、最近流行のアジャイル開発をやるならRedmine Backlogsプラグインを入れたり(これが、またインストールにハマるのですが!!)、コードレビューで利用するにはCodeReviewプラグインを入れたりと、快適に利用するためには様々なプラグインが必要になって来るでしょう。

ALMiniumとは?

ALMiniumとは、ALM(アプリケーションライフサイクルマネージメント)+Redmineの造語です(金属のアルミニウムとは綴りが一字違います)。 要件(バックログ)管理から、開発、システムの運用、アプリケーションの保守まで、システム/アプリケーションのライフサイクルを管理するために利用できるツール・チケットシステムです。

金属の名前を採用した開発ツールとして、Selenium、Titaniumがありますが、それに続く3番目の金属系開発ツールという位置づけもあるようです。

ALMiniumには、次のような特徴があります。

簡単なインストーラ

Redmine,Subversion,Git,Mercurialなどプロジェクトマネージメントに必要なツールを一通りインストールしてくれます。ツール間のアカウント・アクセス権の連携や、チェンジセット・チケットの連携も自動で行ってくれます。

アジャイル開発をサポート

Backlogsプラグインによりアジャイル開発をサポートします。スプリント、ストーリー、タスクの管理からバーンダウンチャートによる進捗の確認、ベロシティの計測にも対応しています。

Hudson/Jenkinsと連携するプラグインが導入ずみであり、CIを簡単に行うことができます。

品質管理

ALMminium固有の機能ではありませんが、バグの管理とソースコードの変更履歴を対応づけることができ、変更をトレースできます。

尊敬する@haru_iidaさんが作成されたCoreReviewプラグインによるコードレビュー支援機能があります。コードがコミットされたら自動的にレビュー対象にすることができ、レビューされていないコミットを一目で確認することができます。また、指摘事項が修正されたかどうかの管理も行えるので、レビューしたけど、修正漏れがあって意味がないということもなくなります。 アジャイルでない開発でも使えます:)

使いやすさの追求

ブラウザのクラッシュ時に嬉しい書きかけのチケットの自動復元機能やクリップボードからのスクリーンショットの添付など無償とはいえ、使いやすさに妥協を許しません。 RedcarpetによるGitHub互換のMarkdown表記をWiki/チケットに標準で利用することができます。

Redmine標準のTextileに格段に分り易いです。Wikiエンジンを切り換えることによりreStructuredText(Sphinxで利用しているフォーマット)も利用可能です。 Git,Mercurial,Subversionのリポジトリ作成がプロジェクト作成画面から行えます。

リポジトリサーバの小難しい設定も不要で、勝手にやってくれます。 MS Project,Excelのインポートなど、既存ツールとの連携を行うことができます。

マルチプロジェクト対応

構築したALMiniumサーバ上で複数のプロジェクトを管理することができます。ALMinium(Redmine)のカスタマイズやプラグインによる拡張は全てのプロジェクトが恩恵を受けることができます。

(たぶん)高い品質

自分でRedmineを構築すると、バージョンの不整合やプラグインの競合などで正しく動作しなくハマル場合があります。ALMiniumは検証済みなので、安心して使えます。 ALMiniumの開発者はRedmine Backlogs, Redmine SCM Creatorなどにコントリビュータとして活動し、また、幾つかのプラグインはバグ修正を行ったバージョンをGitHubで管理して利用しています。

インストール

CentOS 6.x、Sientific Linux 6.x、Ubuntu11.04以降を用意してください。あとは、ルートユーザで下記のコマンドを実行するだけです。

# yum install git 
もしくは
# apt-get install git

# git clone https://github.com/alminium/alminium.git
# cd alminium
# bash ./smelt
これだけで、必要なソフトウェア、ライブラリをダウンロード/インストール、セットアップをしてくれます。簡単です。

メンバー募集のお知らせ

ALMiniumは、GitHubのALMiniumプロジェクト(organization)にて開発を行なっています。徐々に導入するプラグインや開発規模が大きくなると共に、アイデアが枯渇し始めたので、開発に協力いただける方を募集しています。ご協力頂ける方は、@mikoto20000までご連絡ください。みなさんで、ALMiniumを盛り上げていきましょう!!

最新情報&更新情報

2012.7.27 Amazon S3/RDSで高信頼にALMiniumを運用するAWS-ALMiniumがangelndxpさんにより公開されました

2012.4.22 ALMiniumをGitの共有リポジトリとして使う

2012.3.12 ALMinium 1.1.4 (Redmine 1.3.2+Backlogs 0.8.7)リリース

2012.1.22 第2回品川RedmineでALMinumの紹介をしました

2011.12.13 Redmine Advent Calendar 2011/12/13の記事を公開しました